眺めるだけでも可愛いハムスターですが、「できればスキンシップしたい!」と思う飼い主さんは多いはず。
ハムスターを手に持てるようになると日々の健康チェックもしやすく、病院に連れて行くときもスムーズです。
また単独性動物であるハムスターが人と仲良くなる必要はないですが、まったく飼い主さんに慣れないのは四六時中、気が休まりませんよね。
「触れるくらいには慣れさせる」というようにしたほうが、お互いにメリットがありますよ。
本記事ではハムスターを手乗りにするまでに1つずつクリアしたいステップや、重要なのにおろそかになりがちな「お迎え前の準備」などを解説していきます。
手乗りが難しいと感じている飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね^^
- ハムスターの手乗りに向けて【お迎え準備編】
- ハムスターの手乗りに向けて【お迎え当日編】
- ハムスターが手乗りになるまでの基本的なステップ
- ハムスターが手乗りになるまでの期間は個体差がある
- 嚙ませて慣れさせる、は間違い?
- ハムスターの手乗りは、焦らずゆっくり進めよう!
ハムスターの手乗りに向けて【お迎え準備編】
まず、突然環境が変わって緊張しているハムスターのストレスをどれだけ減らせるかが肝心です。
ハムちゃんがなるべく安心できるよう、ペットショップで使っていた床材と餌を用意しましょう。
床材は、それまで過ごしていたケージに敷いてあった「その子のにおいがついたもの」をもらってください。
引き渡しのときに最初から用意してくれるショップもありますが、そうでなくてもお願いすれば入れてもらえますよ。
また餌に関しても、いったん今までと同じフードを食べさせましょう。
別のものに替えていく場合も、少しずつ混ぜたほうがハムちゃんがストレスを感じにくくなります。
参考記事:
ハムスターの手乗りに向けて【お迎え当日編】
ハムちゃんが家に来たら、あらかじめ用意しておいたケージに移します。
そのあとお水と食事を用意し、できるだけそっとしておきましょう。
テレビの大音量はハムスターが余計に怖がってしまうのでNGです。
かといって息を潜めてシーンとしたり、ジロジロも見るのもよくありません。
ハムスターの目線では「敵に狙われている」気分になってしまうので、ごく自然に過ごしてくださいね。
半分タオルで覆ってあげるのも、ハムスターが落ち着くのでおすすめ。
まったく周囲の様子が見えないのも不安になるので、見える部分は残しておきましょう。
ハムスターが手乗りになるまでの基本的なステップ
ハムスターをお迎えして新しい住まいに移したら、いよいよ手乗りになるまでのトレーニングをはじめます。
ポイントは、ハムスターのペースで焦らず進めること。
特にこれからお伝えする6つのステップは、順番を守ることが大切です。
途中で抜かしたりぜずに、1つずつステップを踏んでいきましょう。
環境に慣らす
ハムスターに「新しい住まいが安全だな」と分かってもらう期間です。
食事と最低限の掃除だけをするようにして、ハムスターには構わないで過ごします。
環境になれるまでは、人の気配があると巣箱から出てこないハムスターも多いでしょう。
あまりに姿が見えないと心配で「ちゃんと食事ができているかな?」「元気かな?」と様子を伺いたくなりますが、ここはぐっと我慢。
人の存在に慣らす
人が近づいてもむやみに逃げなくなったら、お世話のときに声がけをしてみましょう。
「○○、ご飯だよー」「○○、お掃除をするよー」と名前も呼んであげてくださいね。
ハムスターは音を覚えるので、飼い主さんの発する言葉の中で「共通する音」は捉えることができますよ。
指先から好物を与える
お世話のときなどに人に興味を示すようになったら、次のステップとして人の手に慣らしていきましょう。
いつものメニューの中から特に好きそうなものか、おやつを1つ差し出します。
手のひらではなく指先で持ち、ハムスターのほうから近寄ってくるのを待ちましょう。
ハムスターが取りに来ない場合、無理強いするのは禁物。
いったんあきらめて、次の日に再挑戦してみてくださいね。
あくまでも「受け身で接する」のがポイントです。
手のひらで好物を与える
指先からためらわず食べるようになったら、さらに距離を縮めていきましょう。
今度は手のひらに好物を乗せて、ハムスターの目の前に差し出してみてください。
はじめは手のひらの先に、次の日は手のひらの中央に乗せる、というように徐々に手乗りに誘導していきます。
あまりおやつを与えすぎるのもよくないので、2~3日かけて焦らずゆっくり進めてくださいね。
手のひらに乗ってきたら好物をあげる
手のひらの中央まで好物を取りに来るようになったら、手乗りはもう間近です。
何も乗っていない手をハムスターの前に差し出し、乗ってきたら好物を与えましょう。
今までと違い「手に乗るとご褒美をもらえる」という風に、動作を結びつけて覚えてもらいます。
まだハムスターも緊張しているかもしれないので、そわそわしていたらすぐにおろしてあげてくださいね。
なお、ここまでずっとおやつを使っていますが、「与えすぎ」には注意しましょう。
ひまわりの種などのハムちゃんが好む食べ物は、高カロリーであることがほとんどです。
時間がかかっても大丈夫なので、1日の摂取カロリーがオーバーしないように気を付けてくださいね。
参考記事:
手のひらにためらわず乗るようになったら撫でる
緊張せずに手のひらに乗ってくるようになったら、ハムスターを撫でてみましょう。
急にたくさんスキンシップをされるとびっくりしてしまうハムスターもいるので、まずは一撫でから。
また基本的に撫でて良いのはおでこと背中だけです。
- お腹:ハムスターの急所
- しっぽ:引っ張られたら激痛
- 耳:情報をキャッチする大切な場所
- 足:軽くつまんだだけでも脱臼や骨折のおそれあり
このようにハムスターには触られたくない部分がたくさんあるので、気をつけてくださいね。
ハムスターが手乗りになるまでの期間は個体差がある
慣れるまでの期間は、持って生まれた性格や「それまでの飼育環境」によって変わってきます。
- 環境に慣れる
- 人の存在に慣れる
- 手のひらに慣れる
とステップを踏むことを忘れないようにしましょう。
何度試しても上手くいかず心が折れそうなときは、クールダウンして距離を置くことが一番。
あの手この手で頑張るより、いったん手乗りをあきらめてみるのもおすすめです。
我が家で飼っているシナモンも、ある日突然触らせてくれるようになり「今までの苦労は何だったんだろう」と思うほどでした。
今は上手くいかない方もきっと慣れると思うので、気長に頑張りましょう^^
嚙ませて慣れさせる、は間違い?
初心者の方が陥りやすい間違いとして、噛ませて慣れさせるというものがあります。
これは「怖くないとわかってもらう」「においを覚えてもらう」という意義があるようですが、ハムちゃんの場合は逆効果になりかねません。
噛ませていると噛んでも良いと認識され、
また、噛まれたときにおやつをあげてしまうのはNGです。
手を噛むことと「おやつをもらえること」が結びつき、噛み癖につながってしまいます。
噛まれそうになったら避けるようにしてみてくださいね。
参考記事:
なお、慣れている個体でも長時間のスキンシップは良くありません。
ハムちゃんの体感時間は、人間の約6倍といわれています。
ハムちゃんにとっての10分は、私たちの1時間と思って接しましょう。
少しスキンシップや健康チェックをしたら、早めにケージに戻してあげてくださいね。
ハムスターの手乗りは、焦らずゆっくり進めよう!
ハムスターが手乗りになると
- 健康チェックがしやすい
- 病院に行くときスムーズ
- 少しは飼い主に慣れたほうがハムちゃんの精神衛生上も良い
などのメリットがあります。
とはいえ、手乗りまでの道のりは個体差も大きいですし、すべての個体が手乗りになるとも限りません。
基本的には、環境に慣れてから手乗りトレーニングを開始するとうまくいきやすいですが、あくまでもその子のペースを優先してあげましょう。
有名な例えで「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」というものがあります。
これハムちゃんの手乗りに関しても、ぴったりの例えだなと思うのです。
あまり気負い過ぎず、「時間をかけること」を意識してハムちゃんに接してみてくださいね^^