見た目も可愛くてお世話しやすいことから、ペット人気が高いハムスター。
そんなハムスターですが、実は自宅で繫殖させることも可能です。
「可愛いうちの子に、赤ちゃんハムスターを生ませてみたい」と思う飼い主さんも少なくないでしょう。
小さな赤ちゃんが母ハムのおっぱいを飲む姿や、一人前のハムスターに成長していく姿は見ていて感動しますよね。
しかしハムスターの繫殖には、正しい知識が必要。
繫殖させる個体選びや手順を間違えると、取り返しのつかないことになる危険もあります。
そこで今回は
- ハムスターを繫殖させる際の心構え
- 具体的な交尾、交配について
- 繁殖にともなう注意点
などをまとめました。
飼いハムの繫殖を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね^^
ハムスターを繁殖させる心構え
ハムスターの繁殖には、大きな責任がともないます。
飼いハムの場合、人がオスとメスを一緒にしなければ、繫殖することはありません。
「命を生み出す手伝いをしている」ということを念頭に置いて、生まれてくる全員を幸せにできるか考えてみましょう。
ハムちゃんが一度に出産する数は以下のとおり。
- ゴールデンハムスター:6~10匹
- ドワーフハムスター:3~5匹
すべての子どもを自分で飼うなら、ケージの置き場所、飼育費用、医療費、お世話の時間が何倍もかかってくるでしょう。
飼ってくれる人を探す場合は、最後まで責任を持って飼える人を見つけなければいけません。
また赤ちゃんをおなかの中で育てて産み、母乳を飲ませてお世話するのは、母親ハムにも大きな負担。
「この子に赤ちゃんを生ませたい」と思っても、年齢や状況的に難しいケースもあります。
こういった心構えをした上で、繫殖させるかどうか決めましょう。
ハムスターを繁殖させる手順
ハムちゃんを繁殖させるには、正しい手順を踏むことが大切です。
- 繫殖させる個体を選ぶ
- お見合い
- 交尾
- 妊娠中
- 出産
- 子育て中
- 離乳に向けて
順番に見ていきましょう。
繫殖させる個体を選ぶ
親ハムは、以下の条件を満たしている子にしましょう。
- 生後3ヶ月~1歳くらいがベスト
- 健康で、遺伝性の病気を持っていない
- 違う種類同士の繫殖は避ける
繁殖に適した年齢は、生後3ヶ月くらいを過ぎてから。
性成熟したあと、体が十分大きくなってからにしましょう。
ただしメスは、1歳を過ぎたあたりから人間でいう「高齢出産」に入ります。
メスの高齢出産は、子宮系の病気を起こしかねないので注意が必要です。
1歳目前では慎重に考え、1歳を過ぎたら繁殖は控えてくださいね。
参考記事:
健康状態も大切です。
病気やケガをしていないか、「緑内障」など遺伝性の病気を持っていないかを観察しましょう。
また「ゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスター」など、違う種類のハムスター同士は繁殖できません。
近親交配もNGです。
さらに「ジャンガリアンハムスターのプティング同士」や「パイド同士」の交配も危険。
これは致死遺伝子の影響によるもので、生まれる前に母親のおなかの中で死んでしまう、奇形で生まれるなどの問題が知られているからです。
繫殖に適した個体を選び、安全に繫殖させてくださいね。
お見合い
繫殖させる個体を決めたら、お見合いをします。
ただ、いきなりオスとメスを会わせるのは禁物。
最初はオスのケージとメスのケージを並べて飼い、お互いのにおいが感じられる状態にしておきましょう。
メスの発情周期は約4日です。
メスの背中を触ってみてお尻を上げるような仕草をしていたら、発情のサイン。
ここで初めて、オスとメスを会わせます。
ハムちゃんはオスよりメスが強いので、メスをオスのケージに入れるようにしてくださいね。
交尾
前提として、オスとメスを一緒にしたあと、1時間は目を離さないようにしましょう。
はじめはハム同士で警戒し合って、ケンカになることが多いからです。
ただ、しばらくするとお互いのにおいを嗅ぎ合うなどし、やがて交尾にいたります。
交尾が確認できたら、オスとメスを分けてください。
どうしてもケンカになる場合は、いったん別々にして、一週間ほどしてからもう一度チャレンジしましょう。
何度かくり返してもうまくいかなければ、相性が悪いのであきらめたほうが良いかもしれません。
ちなみに交尾が成功したかどうかは、翌日のメスの生殖器を見るとわかります。
白い液体が生殖器についていることを「膣栓」といい、ほぼ100%妊娠しているといえるでしょう。
妊娠中
ハムスターはメスが単独で子育てをします。
母ハムに力をつけさせるためにも、しっかりと栄養を与えることが大切です。
通常のエサのほかに、動物性たんぱく質を与えて、カルシウムとたんぱく質を補いましょう。
また適切な温度管理を徹底し、落ち着ける環境を用意してあげましょう。
ハムスターの温度管理については、以下の記事をご覧ください。
参考記事:
出産
巣箱の中から小さな鳴き声が聞こえてきたら出産です。
このとき、いくら心配でも巣箱を開けてはいけません。
かえって母ハムにストレスを与えてしまうので、そっと見守ってあげましょう。
なおハムスターの出産は、大体3~5時間かかるのが一般的です。
子育て中
ハムスターの赤ちゃんは毛が生えていないので、体温調節ができません。
巣箱から出ていると体が冷えてしまうので、清潔なプラスチックスプーンですくうようにして、戻してあげましょう。
その際、素手で触らないように注意してくださいね。
また母ハムの母乳がしっかり出るように、ごはんと水は十分に与えましょう。
ケージをいじると母親が不安になるので、最初の数日は掃除もしなくてOK。
落ち着いてからケージ内を点検しましょう。
離乳に向けて
子どもは母親の母乳をたっぷり飲みながら育ちます。
生後10日前後になると、固形物も少しずつ食べられるように。
生後3週目には、離乳できるでしょう。
離乳期を過ぎたら、母ハムをしっかり休ませてあげるのもポイントです。
なおハムスターは性成熟が早いため、いつまでもオスとメスを一緒にできません。
離乳後は別々のケージで飼ってくださいね。
ハムスターの繫殖は、責任を果たせるか考えよう!
ハムスターの繫殖方法や手順についてまとめました。
私もシナモン(我が家のジャンガリアンハムスター)の子どもが欲しい!と思ったことが何度もあります。
私は、赤ちゃんが生まれたあとの諸々を考えて断念しましたが「愛ハムの子孫を残せるって素晴らしいな」と今でも思うのも事実。
繫殖にはリスクもありますが、感動も大きいはずです。
ただし、実際に繫殖させるときは責任を持ちましょう。
手順や方法についても、正しい知識を持った上でチャレンジしてみてくださいね^^