ハムスターといえば、ごはんを頬袋いっぱいに詰める姿が可愛いですよね^^
本来のハムちゃんは食欲旺盛な動物で、食べきれないエサは巣箱に持ち帰るほど。
それが「フードが減っていない」「食欲が落ちてきた」というときは、何らかの原因で体調不良に陥っている可能性大です。
今回はハムスターの食欲がないときに考えられる原因についてまとめました。
人間なら1~2日食べなくても平気だったりしますが、ハムスターの場合は違います。
体が小さくデリケートなハムちゃんは、たった1日ごはんが食べられないだけで命取りになることも。
異変に気づいたら、できる限り早く病院で診察を受けてくださいね。
ハムスターがご飯を食べないとき考えられる11個の原因
本来は、食欲旺盛なハムスター。
そんなハムちゃんの食欲が低下したときは、以下の原因が考えられます。
- 環境変化・ストレス
- 糖尿病
- 肝嚢胞
- 脂肪肝・肝炎・肝硬変・肝細胞癌
- 心臓病
- 腫瘍
- 頬袋の炎症
- 胃腸のトラブル
- 不正咬合
- 風邪
- 老化
順番に見ていきましょう。
環境変化・ストレス
ハムスターにとって、ほんの少しの環境変化が及ぼす影響は大きいもの。
不適切な気温、深夜になっても明るい部屋、汚れたケージなどは、ハムスターにかなりのストレスを与えてしまいます。
ストレス自体が原因の場合もあれば、ストレスによって様々な体調不良を引き起こすことで「食欲低下」を招くケースも。
「ごはんを食べないな」と思ったら、まずは飼育環境を見直してみましょう。
また、お迎え当初のハムちゃんは、知らない場所に連れてこられた緊張や恐怖で、ごはんを食べない場合も多いようです。
写真を撮ったりスキンシップをはかるのは控えて、新しい環境に慣れるまでそっとしておいてあげましょう。
糖尿病
糖尿病は人間だけでなく、ハムちゃんもかかる病気です。
初期症状はむしろ食欲・水分摂取量ともに増加する傾向にあります。
しかし病状が進行すると、食欲低下を引き起こし、体重も減ることが多いでしょう。
糖尿病には、遺伝が原因の「1型」と食生活が原因の「2型」があります。
1型には有効な治療法がないのが現状ですが、2型は食事療法と漢方薬の投与を組み合わせて治療することが可能です。
糖尿病では「多飲多尿」になるので、新鮮なお水をつねに用意し、トイレをこまめに掃除して清潔を保ちましょう。
また2型は肥満にならないように注意することで予防できます。
日頃からバランスの良い食事を心がけてくださいね。
肝嚢胞(かんのうほう)
おなかの中に嚢胞が形成される病気。
成長した嚢胞に圧迫されて食欲低下を引き起こします。
嚢胞が大きくなると呼吸困難や歩行困難につながることも。
若いうちは少ない病気なので、老化や体質が主な原因といえるでしょう。
治療法としては、おなかに針を刺して水を抜くことができます。
ただこの方法では再発をくり返すため、完治するには開腹して嚢胞切除しなければいけません。
これといった予防法はないのが現状なので、できる限りストレスの少ない環境を作ることが大切です。
また体力がなければ手術は難しいので、日頃からバランス良くしっかりごはんを食べさせてあげましょう。
脂肪肝・肝炎・肝硬変・肝細胞癌
これらの肝臓病は、肥満が原因であることがほとんどです。
カロリーの高いフードばかり与えているとハムちゃんの肝臓はフォアグラ状態に。
結果として肝臓が正常に働かなくなり、食欲低下や体重減少を引き起こします。
下痢や血尿などの症状が出ることもあるでしょう。
ハムちゃんの大好きなひまわりの種は、脂質が多いので与えすぎは禁物。
バランスの良い食事で、適正体重をキープしましょう。
ハムちゃんの肥満チェックは、あご、脇、おなかを見てくださいね。
参考記事:
またケージの掃除を怠ると、細菌が繁殖して肝炎に感染するリスクが高まります。
清潔な飼育環境を心がけましょう。
心臓病
心臓が病気になると、老廃物の排出がうまくできません。
その結果「肺水腫」が起きたり、胸水が溜まり、食欲低下を引き起こします。
呼吸困難につながることもあるでしょう。
老化により心機能が低下したハムスターに多く、加齢のほか遺伝的体質も原因と考えられています。
心臓病は完治が難しく、強心剤や血管拡張剤、利尿剤などの内科的治療で進行を遅らせることが治療目的になるでしょう。
これといった予防法はないため、日頃から肥満や高血圧を防ぐことが大切です。
ひまわりの種など高カロリーのおやつは控えめに、バランスよい食事を心がけましょう。
腫瘍
ハムスターは腫瘍になりやすいといわれています。
体表の腫瘍であれば気が付きやすいですが、おなかの中の出来物だと発見が遅れがちです。
さらにおなかの中の腫瘍は、直接「食欲低下」に影響を及ぼします。
エサが減っていないときや、うんちが少ない場合は、すぐに病院で診察を受けましょう。
頬袋の炎症
ハムちゃんの頬袋は可愛いですが、トラブルを起こしやすい場所でもあります。
エサを詰め込む際に頬袋の内側を傷つけたり、頬袋に入ったままのエサが腐ってしまい、バイ菌感染が生じることもあるからです。
頬袋を使おうとしなくなったら、炎症が起きているサインかもしれません。
この場合、食欲低下のほかに膿や悪臭が見られることも。
口の中を観察するには特殊な器具が必要です。
私たち素人では判断が難しいので、すぐに病院へ行きましょう。
参考記事:
胃腸のトラブル
胃腸炎は、人間だけでなくハムスターにも起こるもの。
原因としては、細菌やウイルス感染が多く、胃腸の働きが悪くなることで「食欲低下」を引き起こします。
抗生剤などで回復することが多いですが、悪化してしまうと命にかかわることも。
おかしいなと思ったら、様子見をせず病院での診察を急ぎましょう。
不正咬合
ハムスターやリス、チンチラなどの「げっ歯類」の特徴の1つが、一生歯が伸び続けること。
硬いエサを食べて歯を削れていれば問題ないですが、やわらかいフードがメインだと歯が伸びてしまいます。
その歯が曲がった方向に伸びたり欠けたりすることで、ごはんを食べられなくなる状態が不正咬合です。
不正咬合は食欲低下を引き起こすだけでなく、歯茎を傷つけたりケガの原因にもなります。
予防策として、ペレットなどの硬いエサを食べさせ、歯が削れる食生活を心がけましょう。
参考記事:
また広く普及している「金網ケージ」は、ハムちゃんが金網をかじることで不正咬合のもとになります。
水槽タイプのケージのほうが、ハムちゃんがかじる心配は減るでしょう。
風邪
ハムちゃんも風邪をひきます。
症状も人間とよく似ていて、鼻水や目ヤニのほか、食欲低下も見られるでしょう。
原因としては、季節の変わり目などの急激な温度変化が大きいです。
また人やほかのハムからの感染もあります。
風邪をひいた場合は、いつもより暖かくしてあげることが大切。
ビタミンが豊富なブロッコリーなどを、加熱して与えるのもおすすめです。
温度管理や栄養管理をしても治らない場合は、病院へ急ぎましょう。
抗生物質を出されるのが一般的です。
参考記事:
老化
長くても3年ほどのハムスターの命。
一般的に、ゴールデンハムスターでは2歳から、ドワーフハムスターでは1歳半からシニア期といわれます。
シニアハムスターは、歯が弱って食欲が落ちることが多いもの。
また運動量も減ることから、おなかも空かなくなり、食事量が減る傾向もあるでしょう。
このような兆候が見られたら、やわらかいエサを中心に切り替えるのがおすすめ。
年老いたからこそ、好きな食べ物を多めにあげるのも一案です。
なお、ごはんをシニア向けにシフトすると同時に、ケージのレイアウトも老ハム仕様にしておくとベター。
足腰が弱ったハムちゃんが、段差につまずいたりしないよう注意してくださいね。
参考記事:
ハムスターがご飯を食べないとき考えられる原因まとめ
ハムスターの食欲がないとき考えられる11個の原因をご紹介しました。
人間でもそうですが、体調は「食欲」に顕著にあらわれます。
飼いハムの食事量が減ったときや、まったく食べないというときは、注意深く観察してあげましょう。
老化が理由なら仕方ない部分もありますが、適切な対応で改善することもあります。
動物にとって、生きること=食事をすること。
大切なハムちゃんを守るためにも、食事管理を徹底してあげてくださいね^^