子ども時代にお迎えしたハムスターですが、いつかは必ずシニア期が訪れます。
老いると体のいろいろな部分に支障をきたすのは、人もハムスターも同じ。
今までと一緒の食生活や住まいでは、ケガや病気をしやすくなることもあるでしょう。
なるべく元気で長生きしてもらうためには、その都度、適切な飼育環境かどうか見直すことが大切です。
本記事では
- ハムスターの老化のサイン
- 高齢ハムスターの飼い方で注意したい5つのこと
について解説しました。
ハムスターの一生は2~3年と短い上に、人に与えられた環境でしか暮らせません。
老後の生活をより良く過ごしてもらうためにも、いま一度シニアハムスターの飼い方についておさらいしましょう^^
ハムスターの老化のサインは?
ハムスターは一般的に、1歳半頃から老化が始まるといわれています。
実際には個体差があるのですが、だいたいの目安として「1歳半」と念頭に置いておきましょう。
高齢のハムスターに見られる変化は主に
- 歯が弱くなり、硬いものが食べられなくなる
- 白内障になりやすくなる
- 毛づくろいができず、毛並みが悪くなる
- 不活発により爪が伸びすぎる
- 骨密度が低下し、ケガをしやすくなる
- 食が細くなり体重が落ちる
- 内臓の働き(消化器、腎臓、肝臓、心肺機能)が衰える
- 腫瘍ができやすくなる
- 免疫力が下がり、病気になりやすくなる
- 体温調節機能が衰え、熱中症や低体温症になりやすくなる
- 活発さがなくなる
などです。
これらの変化は突然ではなく、徐々に起こることが多いもの。
日々よく観察し、必要に応じて接し方を見直していきましょう。
シニアハムスターの飼い方で注意したい5つのこと
ハムスターが高齢になったら
- ケージのレイアウト
- 適切な食生活
- 健康診断
- ストレスと接し方
- 病気との向き合い方
の5つに注意が必要です。
順番に見ていきましょう。
ケージのレイアウト
ケージはいわば、ハムちゃんが生涯を過ごす住まい。
人間にもバリアフリーの施設や住宅があるように、ハムスターのケージも必要に応じて改善していきます。
ケージ
高齢ハムスターは、骨密度の低下や筋力の衰えによって、ケガをしやすくなるもの。
ハムちゃんがつまづいたり転んだりしないように、シンプルで段差のないケージにしましょう。
ベストは水槽タイプのケージです。
金網ケージや二階建てケージは、足をひっかけたり高いところから落下するおそれがあるので避けてくださいね。
回し車
回し車は、ハムちゃんが走れるうちは置いておきましょう。
あまりに早く撤去してしまうと、運動不足によってさらに筋力が衰えてしまうからです。
ただし、心臓病を抱えている場合は走る負担のほうが大きくなるので、外してしまってかまいません。
ハムスターの様子を見て決めましょう。
トイレ・砂場
間口が狭かったり、入り口が高いものは、ハムちゃんにとって負担です。
出入りしやすい容器に取り替えましょう。
床材
安全性の高い床材を、厚めにふっくら敷きましょう。
通常より多めに敷くことで段差をなくせますし、転んだときのクッション材にもなります。
また体温調節機能が衰えて寒さにも弱くなってくるので、保温効果も兼ねてたっぷりと入れてください。
安全性では、紙製の床材が断然おすすめです。
血尿や下痢にも気がつきやすく、肌あたりもわやらかいためハムちゃんの体を傷つけません。
適切な食生活
ハムスターも高齢になると食が細くなり、以前のようにたくさんの量が食べられなくなります。
歯も弱るため、ペレットなどの硬いものを噛みづらくなるのも一因でしょう。
そんなときはペレット団子を作るなどして、高齢ハムちゃんでも食べやすい状態にすることが大切。
あるいはハムスターの好物をうまく使って食欲を増進させるのも手です。
高齢のハムちゃんこそ、食事の見直しを取り入れてみてくださいね。
参考記事:
健康診断
若いうちからかかりつけの病院を決めておき、高齢になってもときどきは健康診断を受けに行きましょう。
シニアになってから体調を崩すと「もう年だから」とあきらめてしまうことも多いですが、病状によっては治療可能な場合もあります。
完治が難しくても、服薬や飼育環境の改善指導により生活の質を高めるられる可能性もあるでしょう。
また
- シニア食への切り替えによる、歯の伸びすぎ
- 不活発による、爪の伸びすぎ
なども気になってくるところ。
ストレスと接し方
人への慣れ具合はハムちゃんによって個体差がありますが、よく慣れた子であっても長時間かまわないようにしましょう。
若いときはストレスに感じなかったことが気になったり、ハム自身も知らないうちにストレスを感じるようにもなります。
コミュニケーションをとるのは「手から好物を渡すときだけ」と決めたり、短時間にとどめてくださいね。
病気との向き合い方
ハムスターも高齢になってくると、腫瘍のほか様々な病気にかかりやすくなります。
病状によっては完治が難しく、年齢的に手術ができないということも。
もし病気になってしまった場合は、獣医さんと治療方針について話し合い、家族にもしっかり相談しましょう。
飼い主さんが「悔いのない選択」ができるように、信頼できる何人かに意見を聞くことも大切です。
高齢ハムスターの病気について知り、日頃から自分の気持ちを整理しておいてくださいね。
参考記事:
高齢ハムスターの飼い方を見直し、元気で長生きしてもらおう!
シニアハムスターとの生活で注意したい点についてまとめました。
ポイントは以下のとおりです。
- ハムスターは1歳半から老化が始まることが多い
- シニア期は五感や内臓機能が衰える、体重が落ちるなどの変化が起きやすい
- シニア期はケガをしにくい住まい作りが大切(ケージ・レイアウトの改善)
- やわらかく、食欲が増すごはんを与えて体重管理をしっかりする
- あまり構いすぎないようにし、ストレスを減らす
- 高齢になっても健康診断を受ける
- 病気との向き合い方について、あらかじめ考えておく
ハムスターの老いは辛いものですが、その一生を見守ることが飼い主の責任でもあります。
年齢に合った飼育環境を整えるとともに、一緒に過ごせる時間を十分に堪能してくださいね^^