季節の変わり目、ハムスターが「なんとなくダルそうだな」と思ったら、風邪をひいているかもしれません。
ハムスターの風邪は、原因も症状も人間とよく似ています。
しかし「たかが風邪」とあなどってはいけません。
体の小さなハムスターが風邪をひくと、体力が持たずそのまま死に至ることもあるからです。
また軽い風邪だと数日で治ってしまうこともあり、飼い主さんも深く考えないで終わってしまうこともあるでしょう。
たまたま大事に至らなかったときはラッキーですが、次も運よく治るとはかぎらないので、正しい風邪の知識をつけておいたほうが安全です。
本記事では、ハムスターの風邪の症状、原因、治療法、予防策を解説していきます。
適切な飼い方で、ハムスターを風邪から守りましょう。
ハムスターの風邪の症状
ハムスターが風邪をひくと
- くしゃみ、鼻づまり、鼻水
- 呼吸音が異常で、苦しそう
- 目ヤニが出る
- ぐったりしている、食欲がない
などの症状があらわれます。
それぞれについて補足しましょう。
くしゃみ、鼻づまり、鼻水
特にあらわれやすい症状の1つが鼻水です。
場合によっては、鼻水が原因で鼻の下がただれてしまうことも。
👇こちらはわが家のシナモンが風邪をひいたときの写真。
鼻の下がただれて、鼻が大きくなったような印象に…。
ハムスターのくしゃみは「ケンケン、クックッ」のように聞こえる飼い主さんが多いようです。
何か鳴き声を発しているな、と思ったら注意深く観察してみましょう。
参考記事:
呼吸音が異常で、苦しそう
呼吸が苦しいときは「ヒューヒュー、キューキュー」といった、狭いところを空気が通るような音がします。
また体全体で大きく呼吸していたり、背中を丸めてうずくまっているのも息苦しいサインです。
ハムスターの呼吸困難は見た目にはっきりするまで気づきにくいため、発見したときには重症化していることも珍しくありません。
異変にすぐに気づけるように、普段からの健康チェックを大切にしましょう。
参考記事:
目ヤニが出る
風邪をひくと目ヤニも出やすくなります。
鼻づまりが原因で涙の通り道がふさがれて、目に溜まった涙が乾燥してしまうからです。
目がカピカピになったハムスターの姿を見ているのは辛いもの。
早急に風邪を治して、視界を元通りにしてあげましょう。
ぐったりしている、食欲がない
細菌やウイルスが原因の場合、倦怠感をともなうことが多いでしょう。
これは、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃するために体力を消耗してしまうからです。
👇倦怠感を感じていそうな様子。
いつもと違う場所で休んでいたので、おかしいな?と思ったら、かなりだるそうにしていました。
体の小さいハムスターにとって、食事をとれない日が2~3日続くだけでも危険です。
一刻も早く食欲が回復するように、風邪の治療に努めましょう。
風邪の症状は、放っておくと気管支炎や肺炎に発展するおそれがあります。
すると通院や治療自体がストレスになり、さらに症状が悪化することも。
「大したことないだろう」と思わずに、異変に気づいたらすぐに対処してくださいね。
ハムスターの風邪の原因
ハムスター風邪をひく原因は
- 急激な温度変化、不適切な温度
- 衛生環境の悪いケージ
- ほかのハムスターや人からの感染
の3つです。
順番に見ていきましょう。
急激な温度変化、不適切な温度
ハムスターは急激な温度変化が苦手で、特に寒さに弱い動物。
季節の変わり目など、気温差が激しい時期は特に風邪をひきやすくなります。
またハムスターの適温は20℃~26℃です。
この条件を満たさないような不適切な温度設定だと、風邪をひくリスクが高まります。
衛生環境の悪いケージ
不衛生なケージは細菌やウイルスの温床です。
そのような環境で生活したり空気を吸い込むことで、ハムスターが風邪をひいてしまいます。
ほかのハムスターや人からの感染
パスツレラやレンサ球菌などの細菌、インフルエンザなどのウイルスも風邪の原因になります。
パスツレラは健康なハムスターも持っている菌ですが、ストレスがある場合に発症しやすいです。
レンサ球菌は人から感染します。
インフルエンザは人からも、ほかのハムスターからも感染の可能性があるでしょう。
またインフルエンザの場合は、ほかの風邪より関節痛、筋肉痛、倦怠感などの症状が強いのが特徴です。
ハムスターの風邪の治し方
ハムスターの風邪を治すには
- 温度と湿度を高めにする
- 栄養価の高いエサを与える
- 病院で薬を処方してもらう
の3つが効果的です。
くわしく見ていきましょう。
温度と湿度を高めにする
健康なハムスターは、ちょこちょこ食べることで体温を維持しています。
しかし食欲不振でごはんを食べなくなると、うまく体温を上げられなくなるので危険です。
また免疫力の低下によっても体温は下がりやすくなりますし、悪寒があってもいけません。
そこで風邪をひいているときは、いつもより暖かくするのが好ましいです。
24~27℃の間で、高めに設定しましょう。
ハムスターの最適な湿度は40~60%ですが、風邪の治療中は60%前後に設定してください。
栄養価の高いエサを与える
人間と一緒で、風邪のときはしっかり栄養を摂らないといけません。
しかし食欲不振でごはんをあまり食べてくれないときは、少しメニューを工夫する必要があります。
ハムスターの食欲があるときと、ないときに分けて見ていきましょう。
食欲がある場合
食欲がある場合は、かぼちゃやブロッコリーなどビタミン豊富な野菜を火を通して与えましょう。
果物もビタミンを多く含むのでおすすめです。
嗜好性も高いので、風邪で弱ったハムちゃんの心の栄養にもぴったりでしょう。
ただし野菜も果物も水分が多いので、与えすぎると下痢の原因に。
栄養補給のためとはいえ、与えすぎないように気をつけましょう。
食欲がない場合
食欲不振のときはペレットを食べなくなることが多いので、お湯でふやかしたり小動物用ミルクと混ぜて団子にして与えると良いでしょう。
ハムちゃんぴゅ~れなどの嗜好品でもオッケーです。
とにかくカロリーを摂取すること、体重を落とさないことを優先してください。
我が家のシナモンが風邪をひいたときや食欲がないときは、高栄養フードを食べさせています。
Health charge 高栄養パウダーフード
少量でも効率よく栄養が摂れて◎
鶏レバーや卵黄、チーズなどが配合されているので旨味が強く食いつきがよいのも嬉しいポイントです。
イースター セレクションプラス 小動物用チキンペースト
獣医さんの間でも、ペレットに定評があるイースター。
そんなイースターのチキンペーストは、チキンレバー風味でおいしいだけでなく、高い栄養価でハムちゃんの健康維持をサポートします。
腸活生活 ハムちゃんぴゅ~れ 鶏ささみ&コーン
シナモンが大好きなピューレ。
「ビフィズス菌入り」で、お腹の菌を補強する効果も期待できるでしょう。
ただしハムちゃんぴゅ~れや高栄養フードには、傷みやすいという難点もあります。
残りは冷蔵庫で保存し、24時間以内に使い切ってくださいね。
病院で薬を処方してもらう
適切な食事と環境で自然治癒を待つのが1番ですが、症状によってはそれだけではよくなりません。
しばらく様子を見ても治る兆しがない場合は、病院で薬を処方してもらいましょう。
ハムスターの風邪薬は、抗生物質、ビタミン剤が一般的です。
獣医さんの指示のとおりに服用させてください。
ハムスターの風邪の予防法
ハムスターの風邪を予防するには
- 飼育環境を清潔に保つ
- 手洗いうがいを徹底する
- ハムスターの複数飼育に注意
- 室温を暖かく一定にする
の4点が重要です。
以下で補足していきます。
飼育環境を清潔に保つ
おしっこや給水ボトルから垂れた水でジメジメしていたり、不衛生なトイレ、ほこりやフンだらけの床などは、雑菌とウイルスの温床になります。
毎日トイレ砂や部分的に汚れた床材を交換したり、傷んだ食べ物が隠されていないか点検してください。
また常に濡れた状態の給水ボトルは雑菌が繁殖しやすいもの。
歯ブラシなどを使って定期的にこすり洗いをするのがおすすめです。
なお、風邪の治療中は過敏なくらいケージの掃除をまめにおこなう必要があります。
免疫力が落ちているため、普段以上に細菌やウイルスに弱くなっているからです。
ケージはいつも清潔に保ち、風邪の予防に努めましょう。
手洗いうがいを徹底する
人から風邪をうつしてしまう場合があるので、手洗いうがいは必ずしましょう。
ハムスターの前でくしゃみや咳をしないことも大切。
手洗いうがいは自分の身を守るだけでなく、ハムちゃんを救うことにもつながるのです^^
ハムスターの複数飼育に注意
風邪は人だけでなくハムスターからもうつる可能性があります。
同じケージ内で複数飼育している場合は注意が必要。
一匹でも具合が悪そうなハムスターがいたら、別のケージに移して治療に専念しましょう。
室温を暖かく一定にする
ハムスターの適温は20~26℃です。
これより低いとハムスターにとっては寒く、免疫力が下がってしまいます。
また温度変化が激しくても、新陳代謝が乱れて免疫力の低下を招くでしょう。
季節の変わり目は急に冷え込んだり、昼夜の気温差が激しかったりします。
必要に応じてペットヒーターなどの防寒グッズを活用し、温度計で室温を把握するようにしましょう。
参考記事:
ハムスターの風邪についてくわしく知っておこう!
原因も症状も、人間とよく似ているハムスターの風邪。
しかし私たちと違うのは、体の小さなハムスターにとって風邪はときに命取りにもなるということです。
ハムスターが風邪をひく原因は
- 急激な温度変化、不適切な温度
- 衛生環境の悪いケージ
- ほかのハムや人からの感染
の3つ。
適切な飼育環境を保つことや、手洗いうがいを徹底し、風邪の予防に努めましょう。
栄養を摂り安静にするのが1番ですが、よくならない場合は薬の服用が不可欠です。
信頼できる獣医さんに診察してもらい、治療に専念してくださいね。
正しい知識を身につけて、ハムスターを風邪から守りましょう!